研究概要 |
バナッハ空間X上の有界線形作用素の基本的で完全な直交列βから誘導される閉部分空間の上への射影作用素全体の成す閉線形多様体による最良近似について,βを含むX上の有界線形作用素の一様有界族の可換子環において考察し,幾つかの存在定理を得た.そして,これらの結果をX上の合成積型作用素,マルチプライヤー作用素の最良近似及びそれらの凸1次結合による近似法へ応用し,最良近似度と一般連続率を用いてロジンスキー型作用素による近似による順及び逆定理を得た. κを可算無限次元ヒルベルト空間上のコンパクト作用素からなるC^*-環とする.n個の値域が直交する等長元から生成されるCuntz環O_nとそのκによる拡張から定まるC^*-環のテンソル積において,有限集合をスペクトルにもつ自己共役元全体が全自己共役元の中で稠密(性質FS)でないことを示した. 一般化不連結Dixmier群のC^*-群環の有限組成列を構成して,その部分剰余C^*-環の構造(非可換トーラスをファイバーに持つ連続場のC^*-環)を決定し,このC^*-環の安定階数と連結安定階数を群の1次元表現全体の空間の次元で評価した. C^n上のRの作用によるリー半直積のC^*-群環の構造を解析し,このC^*-群環が有限組成列を持ち,その部分剰余C^*-環が可換C^*-環とコンパクト作用素のC^*-環と非可換トーラスのC^*-テンソル積であることを示した.応用として,このC^*-群環の安定階数と連結安定階数を群の言葉で評価した.また,R^n上のRの作用によるリー半直積のC^*-群環が複素の場合と同様な構造を持つことを導いた. C^n上のZの作用による半直積のC^*-環の構造を考察し,このC^*-群環の安定階数と連結安定階数を評価した.また,R^n上のZの作用による半直積の場合を同様に考察した.
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