研究概要 |
距離空間上の有界な連続関数全体のつくるバナッハ空間において,正線形作用素から成るネットの収束性に関するコロフキン型の近似定理を確立し,その収束精度を被近似関数の連続率とテスト関数系によって誘導される高次のモーメントを用いて評価し,精密化した.更に,これらの結果を高次元のベルンシュタイン作用素,サース作用素,バスカコフ型作用素,マィヤーケーニッヒ作用素による近似精度の評価へ応用した.また,ベクトル値有界連続関数の成すバナッハ空間上の積分作用素による近似定理を確立し,補間型作用素および合成積型作用素へ応用した.典型的な近似核は,ガウス・ワイヤーシュトラス核,ピカール核,ブイ・フェドロフ・セルバコフ核,マメドフ核,ドラバレ-プッサン核などである. C^*-環の乗法子環の安定階数,連結安定階数および一般安定階数を幾つかの条件の下で評価し,これらの階数が無限であることを示した.更に,σ-単位的部分同次的C^*-環に対して,その安定階数と乗法子環の安定階数が等しいことを示した. C^*-環の直積の安定階数,連結安定階数,一般安定階数および実階数は,その直積因子のこれらの階数の上限に等しいことを示した. 指数が零でないフレドホルム作用素を持つC^*-環は,近似的に部分同次的でないことを示した.また,この結果を用いて,すべての非R型単連結可解リー群を含むある群のC^*-環の単位元付加は,近似的に部分同次的でないことを得た. フル三角行列の連結リー群のC^*-環の代数構造から,その有限組成列を構成し,更にその部分剰余のC^*-環を決定した.また,これらの応用として,このC^*-群環がI型であることを示し,更にkのC^*-群環の安定階数と連結安定階数を群の次元で評価した.
|