研究分担者 |
大内 本夫 大阪女子大学, 理学部, 教授 (70127885)
渡辺 孝 大阪女子大学, 理学部, 教授 (20089957)
石原 和夫 大阪女子大学, 理学部, 教授 (90090563)
吉冨 賢太郎 大阪女子大学, 理学部, 講師 (10305609)
入江 幸右衛門 大阪女子大学, 理学部, 助教授 (40151691)
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研究概要 |
今年度は主にq-擬凸領域の代数的側面からの研究を行い,コホモロジー群の消滅に関して,新しい結果を示すことができた.n次元複素多様体上で定義されたq-convex function with cornersを滑らかな関数で近似する場合,q^^〜-convex functionで近似でき,しかもq^^〜=n-[n/q]+1という数は最良であることがDiederich-Fornaessにより知られている.したがってAndreotti-Grauertの消滅定理によりC^nやStein多様体の中のq-convex domain with cornersはcohomologically q^^〜=completeになるが,Diederich-Fornaessの関数の近似定理が最良の近似を与える定理であるのに対し,cohomologicalには最良の結果であるかどうかは知られていなかった.この辺りの様子を詳しく調べ,得られた結果は次の通りである. n次元Stein多様体(より弱い条件でよいが)の中の有限個のq-complete domainの共通部分として表される領域は,cohomologicalにはq^^^=n-[(n-1)/q]-completeであり,qがnの約数でないときq^^^=q^^〜-1で,従来知られていたものよりも良い結果が成立する.しかもq^^^という数は最良である. Andreotti-Grauertの逆予想は,q-convex domain関係の重要な未解決問題であるが,この結果により,コホモロジーの消滅は分かるが関数の存在の分からない例が豊富に見つかったことになり,今後の新たな課題が見つかった.また,q-擬凸領域の微分幾何的側面からの研究も開始し,距離関数のLevi formに関して新たな結果を得始めているところである.
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