研究分担者 |
大内 本夫 大阪女子大学, 理学部, 教授 (70127885)
渡辺 孝 大阪女子大学, 理学部, 教授 (20089957)
石原 和夫 大阪女子大学, 理学部, 教授 (90090563)
吉冨 賢太郎 大阪女子大学, 理学部, 講師 (10305609)
入江 幸右衛門 大阪女子大学, 理学部, 教授 (40151691)
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研究概要 |
今年度は主に,滑らかな境界を持つq-擬凸領域の微分幾何的側面からの研究を行った.その際に,境界距離関数から決まる関数のLevi formを調べることが重要になる.この考察の仮定で,複素射影空間や複素トーラス上のLevi平坦実超曲面の(非)存在問題,あるいはタイプを求める問題に出会い,"複素トーラス上のLevi平坦実超曲面は(ある意味で)linearなものに限るであろう"というOhsawaの予想に対して,2次元の場合限定ながら,"Levi平坦実超曲面がlinearでない局所的な解析面を1つでも含めば,その補集合はSteinになる"という結果を示すことができた.このことは,上の予想の解決のためのキーとなる結果であるが,射影空間の場合と違ってトーラスの曲率は平坦であるので,近似をして調べることができない.そこで,距離関数のLevi formと,領域の境界の曲率条件との間のexplicitな関係について,現在研究を続けている最中で,部分的な結果は既に得られている. 次に,複素多様体上で定義されたq-convex domain with corners上でのコホモロジーの消滅について,Diederich-Fornaessの関数の近似定理とAndreotti-Grauertのコホモロジーの消滅定理から自然に得られる結果は,コホモロジカルには最良の結果ではないというのが,我々が以前に得た結果である.この現象について,具体例を中心に,領域を特徴付ける関数を実際に構成する方法を考察している.コホモロジカルな結果に対応する関数が構成できるという予想を抱くようになり,この点の研究も進めている.
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