研究分担者 |
佐藤 亮太郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50077913)
川畑 洋昭 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (70081271)
高橋 浩光 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (30109889)
加藤 幹雄 九州工業大学, 工学部, 教授 (50090551)
高橋 眞映 山形大学, 工学部, 教授 (50007762)
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研究概要 |
本研究では、古典的なノルム不等式とその一般化との関係でバナッハ空間Xの幾何学的性質を調べた。また、ジェームス定数、シェーファー定数の一般化を考察し、これらの定数との関係でXの幾何学的性質を記述した。バナッハ空間のψ直和の一様凸性、一様非四辺形性なども調べた。主要結果は次のように述べられる。 1.ノルム不等式とバナッハ空間の幾何学: バナッハ空間Xにおいて古典的なノルム不等式の一般化を考え、これらの不等式との関係でXの幾何学的性質の特徴づけを与えた。特に、P-一様平滑性、q-一様凸性の概念と重みつきクラークソン不等式との正確な関係を示し、具体的なバナッハ空間において最適な2-一様凸不等式を与えた。ハンナー型・ラフカ型不等式の拡張も与えた。 2.ジェームス型・シェーファー型定数とバナッハ空間の幾何学: バナッハ空間Xに対し、ジェームス型定数J_<x, t>(τ),シェーファー型定数S<x, t>(τ)を導入し、それら定数の基本的な性質を調べた。一様凸性、一様平滑性、一様非四辺形性などの幾何学的性質が、それらの定数との関係で記述される。具体的なバナッハ空間において、それらの定数が計算される。 3.絶対ノルムとバナッハ空間のψ-直和: バナッハ空間X, Yの直和に絶対ノルムを定義したものをψ-直和という。ψ-直和が一様凸(局所一様凸)であるための必要十分条件はX, Yが一様凸(局所一様凸)かつψが狭義凸であることを示した。ψ-直和の狭義凸性、一様非四辺形性についても類似の特徴づけが得られる。更に、n個の直和についても同様の考察を行った。
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