研究課題/領域番号 |
13640191
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
内山 康一 上智大学, 理工学部, 教授 (20053689)
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研究分担者 |
吉野 邦生 上智大学, 理工学部, 講師 (60138378)
田原 秀敏 上智大学, 理工学部, 教授 (60101028)
大内 忠 上智大学, 理工学部, 教授 (00087082)
平田 均 上智大学, 理工学部, 助手 (20266076)
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キーワード | p楕円型 / Briot-Bouquet / 積分表示 / multi-summability / Fuchs型偏微分方程式 / Maillet型定理 / 錐に台をもつ超関数 / Backlund変換 |
研究概要 |
1.実領域の非線形微分方程式の研究 内山はp楕円型偏微分方程式に由来する、未知関数とその導関数の絶対値のべきを含む非線形常微分方程式の局所解の解析的特異性の表示を得た。実関数論あるいは関数解析を用いる従来の方法論と異なり、Briot-Bouquet型の複素常微分方程式の収束解を利用する点が新しい。この表示の系として、解の特異点における微分可能性や実解析性がなりたつ指数の条件は容易にかつ明快に確認できる。これはフィリピン大学L.Paredes氏との共同研究であり、フィリピン大学、九州大学、京都大学でその成果を口頭発表した。平田は1995年にH.Wuによって抽出された3階2変数の非線形偏微分方程式の、ベックルンド変換によって構成される解を考察し、可積分系を示唆する性質を示した。 2.複素漸近解析と複素領領域の偏微分方程式の研究 大内はFuchs型を含むあるクラスの線形偏微分方程式の特異点をもつ斉次解の挙動を研究し、べき程度の特異性をもつ解の積分表示を得た。また、偏微分方程式の形式級数解とそれを漸近展開とする真の解の存在を調べるため、multi-summabiblityの理論を研究し、あるクラスの偏微分方程式に対し、形式級数解のmulti-summabilityを示すことに成功した。田原は空間変数に関して不確定特異点をもつような非線形偏微分方程式の形式解に対し、Maillet型の定理を証明した。また、正規型の非線形偏微分方程式の解の解析接続についてシャープな結果を得た。フックス型の非線形偏微分方程式の解の構造を決定した。吉野は松澤忠人氏により導入された熱方程式の解の漸近挙動により超関数を特徴づける方法により、超関数論への応用を複数得た。このテーマに関し韓国の数学者と研究交流を行った。 3.その他の研究。後藤聡史は作用素環の研究を行い、subfactorのfusion ruleを計算した。また、Dynkin図形と関連付けてsubfactorの分類をした。青柳美輝は数値アルゴリズムの研究などをした。
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