研究課題/領域番号 |
13640195
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
大宮 眞弓 同志社大学, 工学部, 教授 (50035698)
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研究分担者 |
渡邊 芳英 同志社大学, 工学部, 教授 (50127742)
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キーワード | 代数幾何的楕円ポテンシャル / Darboux変換 / スペクトル保存変形 / モノドロミー保存変形 / 数式処理 / 超幾何方程式 / 非線形波動 / ソリトン |
研究概要 |
代表的な代数幾何的楕円ポテンシャルであるn次Lameポテンシャル(n≧2)が、研究代表者にによって以前得られたある種の退化条件を満たす場合に、具体的に得られる特殊な固有関数族を用いて構成される1-複素パラメータ族であるDarboux-Lame方程式のモノドロミーをn=2の場合に計算して、それがパラメータに依存しないこと、ならびにパラメータが0の場合にGaussの超幾何方程式に一致する事を証明した。その過程で変形方程式の係数が有理関数になることを証明することが必要になるが、従来知られていた有理ソリトンの場合等と異なり、超幾何関数が初等関数に退化する為の必要十分条件として知られているSchwarz-Hukuhara-Ohashiの条件と密接に関連することが分かり、変型される方程式だけでなくモノドロミーが保存される条件にも超幾何関数が関連することが明らかになった。以上の結果の一部は、11月に九州大学応用力学研究所で開催された研究集会「非線形波動現象の理論と応用」で発表し、さらにその後得られた結果は米国アラバマ大学バーミングハム校で開催された数理物理学と微分方程式に関する国際会議で発表すると共に、その機会を利用して同大学のWeikard教授と共同研究を行った。さらにn=3の場合に退化条件を、汎用計算ソフトウェアMatLabを用いて計算し、対応する重複スペクトルの構造を明らかにした。この結果を用いることによりn=2において成功したモノドロミー同型族の高次への一般化への道が開けた。また、これらのモノドロミーの計算には多くの記号処理が必要となる為数式処理システムReduceが有効であることが分かった。
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