研究課題/領域番号 |
13640200
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
田中 尚人 福岡大学, 理学部, 助教授 (00247222)
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研究分担者 |
丸尾 健二 神戸大学, 海事科学部, 教授 (90028225)
黒木場 正城 福岡大学, 理学部, 助手 (60291837)
山田 直記 福岡大学, 理学部, 教授 (50030789)
石井 克幸 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (40232227)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 粘性解 / 劣微分 |
研究概要 |
本研究では、障害物問題をあらわす偏微分方程式が、劣微分項を含む多価の偏微分方程式を用いて表されることに着目し、このような方程式に対して粘性解の理論を一般化し、発展させることを目的として、これまでに得られている諸結果を集大成するとともに、粘性解の特性を最大限に利用して、これまでより精密な解の挙動の評価や近似解の構成を行うことなど、関連する問題を幅広く研究した。具体的には、障害物問題を典型例として、様々の偏微分方程式を劣微分項を用いて定式化し、粘性解の方法が適用できるように理論を整備する、・劣微分項を含む方程式に対する粘性解の概念を用いた定式化と、これまでに知られている他の手法について比較検討し、粘性解理論の優位な点を発見、展開する、・様々な非線形偏微分方程式の可解性と粘性解の手法との比較検討をおこなう。 の3点に重点をおいて研究を遂行した。その結果、変分不等式を例とする、劣微分項を持つ非線形2階退化型楕円型偏微分方程式についての粘性解を新たに定義し、その一意存在を証明することに成功した。従来、変分不等式は制限条件付きの変分問題、劣微分作用素の理論等の関数解析的方法で研究されてきたが、今回の研究では、一般の非線形2階楕円型偏微分方程式に対する粘性解の概念を劣微分の定義と組み合わせることで拡張し、解の一意存在、安定性を証明した。また、劣微分項に対する吉田近似を考え、その収束性を証明した。
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