研究分担者 |
平良 和昭 筑波大学, 数学系, 教授 (90016163)
佐々木 建昭 筑波大学, 数学系, 教授 (80087436)
梶谷 邦彦 筑波大学, 数学系, 教授 (00026262)
内藤 聴 筑波大学, 数学系, 助教授 (60252160)
宮本 雅彦 筑波大学, 数学系, 教授 (30125356)
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研究概要 |
1.パフィアン型作用素とアファイングラスマン多様体上のラドン変換:G(d,n)によりRnにおけるd次元平面の全体からなるアファイングラスマン多様体を表すものとする。すると、包含関係をincidence relationとするラドン変換R^p_qが、G(p,n)上のC^∞関数をG(q,n)上のC^∞関数に移す変換として定まる。s及びrを、それぞれG(p,n),及びg(q,n)の階数とする。この時、我々の得た結果は以下の通りである。(1)p<qかつs<rである場合。ラドン変換R^p_qの像は、ある2s+2階の単独のパフィアン型不変微分作用素の零解の空間として特徴付けられる。(2)p<qかつs【less than or equal】rである場合。この時、ラドン変換R^p_qの反転公式はDR^q_pR^p_q=Iなる形で与えられる。ここで、Dは生成作用素と呼ばれる作用素で、パフィアン型不変微分作用素で表され、その具体的な表示も得た。(3)p<qかつs<rである場合。ラドン変換R^p_qの像は、あるs+1階のパフィアン型不変微分方程式系の零解の空間として特徴付けられる。ただし、この場合(1)と違い、全く異なる2種類のパフィアン型作用素が像を特徴付ける微分方程式系の中に現れるのである。なお、この結果はゴンザレス氏との共同研究によって得られたものである。 2.ラドン変換に対するソボレフ型評価。基本的にラドン変換は、関数を部分多様体上で積分するというものである。故に、ラドン変換は関数をある程度滑らかにするものと予想される。実際、ストリカーツによってq-plane変換R^0_qはL^2関数をオーダーq/2のソボレフ空間H^<q/2>に移すことが示されている。この場合、滑らかさの増大度は対応するdouble fibrationのファイバーの次元に比例している。しかし、一般の変換R^p_qの場合、滑らかさの増大度が対応するdouble fibrationのファイバーの次元に比例しない、という意味でR^p_qは、それ程関数を滑らかにはしない、ということを発見した。
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