研究概要 |
d>0として,非線形放物型方程式u_t= dΔu+u^<p-1>を有界領域ΩにおいてNeumann境界条件の下で考えるとき初期値問題やDirichlet境界条件の場合と異なりどんな初期値から出発しても解は必ず有限時間で爆発することは容易に分かる. 拡散係数dが十分小さい場合は拡散項の影響は非線形項に比べて非常に小さいので解の爆発集合(爆発点全体の集合)の位置は初期値が最大になるような点の近傍であることを証明した.この場合は領域の形状などの影響はほとんど現れないことが分かった. しかしながら拡散係数dが十分大きいときには初期値問題やDirichlet境界条件の場合の解は時間大域的に存在する.また,Neumann境界条件の下での解の挙動も初期値だけではなく領域Ωの影響を受けるのではないかと予想される.拡散係数dが十分大きいときNeumann境界条件の下での解の爆発は領域Ωのどのような場所で起こるかを調べた.P_2をL^2(Ω)からΩにおけるNeumann境界条件の下でのLaplacianの第2固有値に対応する固有空間の上への直交射影とするとき,dが十分大きければ初期値φをもつNeumann境界条件の下での解はP_2φの最大点の近傍でのみ爆発することを証明した.今年度の研究において専門知識の提供など研究分担者の協力が非常に役立った.
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