研究課題/領域番号 |
13640219
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 中央大学 (2002-2003) 東京都立大学 (2001) |
研究代表者 |
望月 清 中央大学, 理工学部, 教授 (80026773)
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研究分担者 |
肥田野 久仁男 三重大学, 教育学部, 助教授 (00285090)
大春 慎之介 中央大学, 理工学部, 教授 (40063721)
村松 壽延 中央大学, 理工学部, 教授 (60027365)
門脇 光輝 愛媛大学, 工学部, 助教授 (70300548)
鈴木 龍一 国士舘大学, 工学部, 助教授 (00226573)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 摩擦項を伴う波動方程式 / 半線形波動方程式 / シュレディンカー方程式 / 散乱振幅 / 逆散乱問題 / スペクトル逆問題 / KPP方程式 / 解の漸近挙動 |
研究概要 |
本研究では数理物理の基礎方程式と共に、化学や生物に現れる様々の波動現象の数理モデルを研究対象にした。これらの波動モデルの解析は相当程度進み、さらに現象から方程式を決定する、いわゆる逆問題にも進展が見られ、研究課題は達成されていると考える。 (1)波動方程式のスペクトル散乱問題については非保存的な波動方程式に対して散乱作用素を構成し、固定エネルギーでの散乱振幅から摂動の係数を決定することができた([5])。この研究は現在も進展しており、ポテンシャル項が加わっても同様の結論が得られることがわかった。さらに時間に依存する係数を伴った方程式に対する理論が構築されつつある。また、振動型の遠距離ポテンシャルを伴うシュレディンガー作用素に対し、極限吸収の原理とスペクトル表現を得た。証明の概要はすでに公表されている。なお、関連する門脇の結果も興味深い。 (2)区間の内部の一点でのスペクトルデータから方程式を決定するが役スペクトル問題に対しては共同研究者I.Trooshinnとの共同論文[2],[3]が発表された。このタイプの逆スペクトル問題は今まで考えられておらず、様々な微分作用素への適用が期待される。 (3)非線形の摩擦項を伴う波動方程式の解の漸近挙動に対して、結果の一部を[4]で報告している。これは現在投稿準備が進んでいる。[6]では外部領域での波動方程式に対し、無限遠の近傍での線形摩擦項による解のエネルギー減衰を示している。非線形散乱については肥田野の興味深い結果もあり、村松のベソフ空間での問題設定も新鮮である。 (4)非線形放物形方程式に対する結果([1])は解の時間無限大での漸近形を詳しく求めたもので、応用範囲はひろい。鈴木は準線形放物形方程式で爆発後の解の延長可能性を論じている。また、大春は放物形方程式系に対し、離散シミュレーションの新しい提案をしている。
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