研究概要 |
本年度は以下の研究を行った。 ・超新星爆発時に形成されるダスト種とサイズの前駆星のmetallicity Zへの依存性を明らかにするために、前駆星の質量と爆発時のエネルギーは同じであるが、metallicityがZ/Z_【of sun】=0.0,0.001,0.02の場合の超新星爆発モデルに対して、形成時の化学反応を考慮した均質定常核形成・成長理論を用いて、ダスト形成の計算を行った。ejecta中での元素のmixingを考慮しない場合、Z/Z_【of sun】=0.0では、先ずoxygen-rich layerでシリケイト等の酸化物のダストが形成され、その後、中心部のFe-rich layerで金属およびその炭化物や硫化物のダストが形成される。一方、Z/Z_【of sun】【greater than or equal】0.001の場合は、先ずHe-layer内部でグラファイトが形成され、その酸化物や金属のダストが形成される。metallicity Zが小さいほど形成されるダストのサイズが大きいことが明らかにされた。これらの成果は2001年秋季天文学会で発表された。 ・ダストの形成効率を明確にするために核形成率を定常から非定常に拡張し、更に前駆星の質量や爆発時のエネルギーへの依存性を明らかにするためにZ/Z_【of sun】=0.0の質量や爆発エネルギーの異なった種々の超新星モデルに対するダスト形成計算が進行中である。これらの成果は2002年春季天文学会で発表される予定である。
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