研究課題/領域番号 |
13640240
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中川 義次 神戸大学, 理学部, 教授 (30172282)
|
研究分担者 |
相川 祐理 神戸大学, 理学部, 助手 (40324909)
松田 卓也 神戸大学, 理学部, 教授 (20026206)
|
キーワード | 系外惑星 / 惑星形成 / 太陽系の起源 / 木星型惑星 |
研究概要 |
本研究初年度に当たる今年度は、主に理論的解析によって、中心星ごく近傍における木星型惑星の形成過程を研究した。今年度の研究により、中心星ごく近傍の木星型惑星も現太陽系の木星型惑星と同じように「標準モデル」にしたがって形成されたとすると、必然的に我が木星よりも質量の大きな惑星となること等を明らかにした(次頁、11.研究発表〔雑誌論文〕1、参照)。このことは、昨今の観測結果と整合している。 現太陽系の木星型惑星は太陽から5AU以遠に存在し、その中心核は主として氷からできていると考えられている。ところが、観測で見つかっている巨大惑星の多くが周回している中心星の近傍では温度が高いため氷は蒸発してしまい存在できない。したがって、中心星ごく近傍で形成された木星型惑星の中心核は氷以外の固体成分、つまりシリケートや金属が主成分となることになる。宇宙組成におけるこれらの固体成分は、存在量が氷に比べて少なく数分の一しかない。このため、木星型惑星の中心核を中心星ごく近傍の原始惑星系円盤中で作るには、氷が存在できるような低温の環境で作る場合に比べて、数倍多い量の円盤ガスが必要となる。大量の円盤ガスの存在する環境のもとで木星型惑星の形成が行われることになるので、最終的に質量の大きな惑星ができることになる。 本研究の最終年度となる来年度は、主として数値シミレーションによって、原始惑星系円盤の乱流粘性進化を研究し、如何なる条件下で、中心星ごく近傍で木星型惑星の形成が可能となるような質量分布が実現するかを明らかにしたいと考えている。
|