研究課題
基盤研究(C)
近接連星系内におけるガス流という観点から研究を行った。とくに降着円盤、ガス供給星の表面流れ、星風降着流、降着円盤内での粘性の物理学という観点で、主として数値シミュレーション的研究を行った。計算法としては、研究課題名であるモンテカルロ直接法と有限体積法を用いた。降着円盤の3次元有限体積法計算では、降着円盤上に渦状衝撃波が存在することを再確認した。ところが同じ問題をモンテカルロ直接法での計算では、渦状衝撃波の存在はかすかには分かるが、顕著には表れなかった。その原因は、モンテカルロ法における粒子数が、円盤の周辺部で十分ではなく、粒子間の衝突が保証されないこと、したがって流れの流体性が保証されないことにあると予想される。この問題を解決する方法をわれわれはまだ見いだしていない。3次元有限体積法によってガス供給星表面の流れの数値シミュレーションを行った。その結果、高気圧性、低気圧性の渦が存在することを明らかにした。また表面流の存在を観測的に明らかにするためにドプラー図を作成し、超軟x線源の観測と比較し、よい一致を得た。近接連星系における質量交換の重要なメカニズムの一つとして星風降着がある。本研究では、質量損失星から放出されたガスのうちどのくらいの部分が、もう一方の星に降着するかを計算し、実験公式を導いた。また星風による系からの角運動量損失も計算した。これらの量は、連星系の進化を研究する上で重要な基礎データとなる。降着円盤における角運動量輸送は、降着円盤の研究をする場合に基本的に重要な因子である。われわれは分子粘性、乱流粘性による角運動量輸送の公式の導出に見られる、複数の代表的教科書の誤りを指摘し、正しい導出法を提案した。
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