研究課題/領域番号 |
13640242
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
廣田 朋也 鹿児島大学, 理学部, 助手 (10325764)
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研究分担者 |
唐牛 宏 国立天文台, 光赤外線天文学・観測システム研究系, 教授 (30221196)
西尾 正則 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (70135383)
面高 俊宏 鹿児島大学, 理学部, 教授 (50129285)
田中 培生 東京大学, 理学系研究科, 助教授 (70188340)
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キーワード | 光赤外線天文学 / 電波天文学 / VLBI / ミラ型変光星 / 周期光度関係 / 星形成領域 / メーザー / 距離決定 |
研究概要 |
ミラ型変光星などに付随するメーザーという強い電波源の年周視差測定によって銀河系内の天体の距離を高精度で決定し、銀河系の運動と構造を解明するVERA計画が国立天文台を中心に進められている。メーザーの強度は数ヶ月から数年の周期で変動しており、高精度な年周視差測定のためにはメーザーの強い時期にVERAによる観測を行う必要がある。そこで、本研究では鹿児島大学で運用中の口径1m光赤外線望遠鏡や6m電波望遠鏡を用いて、メーザー天体の可視光・近赤外線・電波のモニター観測を行い、メーザーの強度予測に必要なデータ取得を目指している。1m光赤外線望遠鏡は本年度夏に入来農場に建設され、その後は高感度な可視光測光観測用の冷却CCDカメラを用いて指向精度や追尾精度の評価、光軸調整などが行われた。その結果、指向精度、追尾精度は望遠鏡のたわみや軸ずれの器差補正後にそれぞれ1秒角、0.5秒角(30秒間の追尾)以下となっており、高精度な科学的観測にも対応可能な性能を達成していることが確認された。また、星像のシャープさの目安となるハルトマソ定数は0.16秒角となっており、顕著な収差も見られないことが確認された。以上のような性能評価測定の結果については、日本天文学会秋季年会(2001年10月4日、姫路市)にて研究代表者の廣田によって報告されている。本年度冬からは測光標準星や明るいミラ型変光星のモニター観測を開始しており、来年度以降は赤外線カメラによる観測も開始する予定である。一方、6m電波望遠鏡によるメーザーのモニター観測では、10天体程度の重点的なモニター観測と、それ以外の強いメーザー天体のサーベイを継続している。これらの観測結果や今後の計画については、鹿児島大学所属の大学院生や国立天文台所属の研究員らによって、各種研究会などで順次報告されており、1、2年の長期間観測の結果がまとまった時点で論文として公表する予定である。
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