1.宇宙初期における電弱相転移が一次になることを想定して、宇宙環境中で起こる一次相転移を一次元量子力学系のトンネル現象として解釈し、その時間的発展を解析した。トンネル効果を引き起こすポテンシャルが準安定相において2次項以外の非線形効果を含むことから非線形共鳴効果が存在する。準安定相におかれた粒子が、環境からのエネルギーを得て非線形共鳴を起しえることにより、トンネル効果、従って一次相転移が促進される機構を同定した。 2.今年度は、largeN極限において様々なチェックがなされて来たAdS/CFT対応、及び、ホログラフィー的繰り込み群において、その1/N補正について確率過程量子化とのアナロジーやフォッカー・プランク方程式を用いて議論し、その結果は秋の日本物理学会に於いて発表した。 3.ランダムネスに空間的相関が存在する場合のランダム1次元系のAnderson転移について、特に1次元random mass fermion系を数値的手法を用いて調べた。
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