• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

場の理論の基礎的諸問題の探求

研究課題

研究課題/領域番号 13640266
研究機関東京大学

研究代表者

藤川 和男  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30013436)

キーワード場の理論 / 量子統計 / スピンと統計 / 経路積分 / フェルミ粒子 / 格子理論
研究概要

今年度は、まず量子統計力学の基礎的な側面を考察し、過去に提案していたスキームを精密化して雑誌の発表した。これは、Shannonの情報理論における推測の理論でもって統計力学の基礎的な仮定である等重率の原理の一部を置き換え、熱平衡への緩和を従来とは違った角度から理解しようとする試みである。
さらに、スピンと統計の定理を経路積分の定式化でどのように証明するかの処方を与えた。これは古くから知られていた定理の再考察であるが、特に新しい点は負のエネルギーが存在しないということをFeynmanのm-iε処方で表現することを提案したことである。すなわちFeynmanのm-iε処方は、経路積分では導く必要はなく、むしろエネルギー条件として要請することを提案いたことである。こうすることにより、スピンと統計の定理の証明は非常に明快になった。
第3の研究テーマとしては、一般化した格子上のフェルミ演算子の可能性を考察した。とくに、負でない整数Kにより特徴付けられた無限個のフェルミ粒子の演算子の可能性を指摘し、この演算子の局所性の研究を行った。具体的に構成した無限個のフェルミ演算子が自由場の場合実際に局所性を満たすことを証明し、さらにゲージ場が存在する場合にも考察を広げた。この結果、このような無限個のフェルミ演算子は格子理論としての最低限の要請は満たしていることが示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] K.Fujikawa: "Remarks on Shannon's Statistical inference and the second law in quantum statistical mechanics"Jour. of phys. Soc. Jpn.. 71. 67-74 (2002)

  • [文献書誌] K.Fujikawa, M.Ishibashi: "Locality properties of a new class of lettice dirac operators"Nuclear Physics B. B605. 365-394 (2001)

  • [文献書誌] K.Fujikawa: "Spin-statistics theorem in path integral formulation"Int. J. Modern Physics A. A16. 4025-4044 (2001)

  • [文献書誌] K.Fujikawa, M.Ishibashi: "Lattice chiral symmetry and the wess-zumeno model"Nuclear physics B. B622. 115-140 (2002)

  • [文献書誌] K.Fujikawa, M.Ishibashi: "Lattice chiral symmetry, Yukawa couplings and the majorana condition"Physics Letter B. (印刷中).

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi