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2002 年度 実績報告書

連星中性子星の合体と重力波の放射

研究課題

研究課題/領域番号 13640271
研究機関新潟大学

研究代表者

大原 謙一  新潟大学, 理学部, 助教授 (00183765)

キーワード一般相対論 / 重力波 / 中性子星 / 数値シミュレーション
研究概要

一般相対論的数値シミュレーションコードを用いて,連星中性子星の合体の数値シミュレーションを実行し,その際に放射される重力波について調べた。本年度の主な成果は以下のとおりである。
1.座標条件として,時間座標に対してmaximal slicing条件,空間座標に対しては,pseudo-minimal distortion条件を用いて非常に安定なシミュレーションコードが確立した。その際,Ricciテンソルの計算で,pseudo-minimal distortion条件を利用して空間メトリックの2階微分をうまく処理することが重要であることが明らかになった。
シミュレーション・コードは,ほぼ完全に並列化,ベクトル化が可能で,実際のシミュレーションは,デカルト座標で,475×475のグリッドサイズで行った。必要なCPU時間は,1つのパラメータセットあたり富士通VPP5000の32ノードを使い,約100時間であった。
2.放射される重力波について,ゲージ不変な抽出を行った。また,これによる重力波波形と単純な計量テンソルのTT(Transverse-Traceless)成分を比較すると,定性的にはほとんど変わらないことも明らかになった。
3.上記の重力波のFourier分解から,放射される重力波のスペクトルから,最終的に形成されると予想されるブラックホールの準固有振動の存在を議論した。ただし,確定的な議論をするためには,様々な初期条件からシミュレーションを行う必要があることがわかり,これについては今後の問題として残された。
今後の発展としては,初期条件の改良とゲージ不変な重力波抽出法の改訂が考えられる。さらに,座標条件を少し変えることにより,必要な計算時間がかなり短縮できることも予想できており,これに関したさらなる研究を継続していくことは重要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Mari Kawamura: "Gravitational Radiation from Coalescence of Binary Neutron Stars -Gauge-Invariant Wave Extraction-"Proceedings of the 11th Workshop on General Relativity and Gravitation. 186-190 (2002)

  • [文献書誌] Mari Kawamura: "General Relativistic Numerical Simulation on Coalescing Binary Neutron Stars and Gauge-Invariant Gravitational Wave Extraction"Progress of Theoretical Physics. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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