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2001 年度 実績報告書

重い不安定核の集団励起スペクトルに対する任意の変形と対相関を考慮した微視的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13640281
研究機関京都大学

研究代表者

松柳 研一  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70025451)

キーワード超変形核 / シェル構造 / 高スピン状態 / 不安定核 / Skyrme相互作用 / Hartree-Fock-Bogoliubov法 / Wobbling motion / エキゾチック変形
研究概要

1.対称性の制限の無いCranked Skyrme-HF法を用いて、今年発見された^<40>Caの超変形バンドを分析し、これが空間反転非対称変形(Y_<30>とY_<31>)に対して非常にソフトであることを示すとともに周辺の^<32>S,^<36>Ar,^<44>Tiでも超変形状態が、^<40>Ca,^<44>Ti,^<48>Crのより高スピン領域でハイパー変形状態が存在することを理論的に示唆した。
2.中性子過剰領域で超変形魔法数(4,10,16,30,42)を持つと期待される^<14>Be,^<26>Ne,^<46>S,^<72>Znに対してCranked Skyrme-HF計算を遂行し、これらの核で超変形解を見つけた。
3.最近開発されたAdiabatic SCC (Selfconsistent Collective Coordinate) Methodの変形共存現象に対するfeasibilityを調べるために、これをmulti-O(4)モデルに適用し、異なるHartree-Fock極小点を結ぶcollective pathがユニークに求まることを示した。
4.ごく最近、^<163>Luにおいて、超変形イラスト線近傍にWobbling Modeが励起したと解釈できる高スピン回転バンドが見つかった。これは軸対称性の破れに伴って出現する3次元的な新しい回転モードである。我々は「回転座標系シェルモデル+RPA」に基づく数値計算を実行し、実験データに対応するWobbling解を得るとともに、高スピン超変形状態においてWobbling Motionが実現するための物理的条件を分析し、positive-γ変形をもった原子核でWobbling Motionが存在する為には準粒子の回転整列(alignment)が不可欠である、という結論を得た。
5.3次元spheroidal cavityに対して、改良された停留位相近似に基づく新しい半古典トレース公式を導出し、超変形シェル構造の形成機構を解明する仕事に取り組んできたが、2次近似では量子シェル構造の再現に不充分な場合があることが分かり、3次のorderまで精度を上げた計算を遂行した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.R.Shimizu: "Diabatic Mean-Field Description of Rotational Bands in Terms of the Selfconsistent Collective Coordinate Method"Prog. Theor. Phys. Supplement. 141. 285-327 (2001)

  • [文献書誌] M.Yamagami: "Symmetry-Unrestricted Skyrme-Hartree-Fock-Boagoliubov Calculation for Exotic Shapes in N=Z Nuclei from ^<64>Ge to ^<84>Mo"Nucl. Phys. A. 693. 579-602 (2001)

  • [文献書誌] A.G.Magner: "Periodic-Orbit Bifurcations and Superdeformed Shell Structure"Phys. Rev. E. 63. 065201(R) (2001)

  • [文献書誌] M.Matsuzaki: "Wobbling Motion in Atomic Nuclei with Positive-γ Shapes"Phys. Rev. C. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] K.Matsuyanagi: "Bifurcation of Periodic-Orbits as Semiclassical Origin of Superdeformed Shell Structure"Physica Scripta. T90. 142-145 (2001)

  • [文献書誌] 在田 謙一郎: "有限量子系のシェル構造と古典周期軌道"日本物理学会誌. 57・1. 37-45 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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