研究概要 |
1.対称性の制限の無いCranked Skyrme-HF法を用いて、今年発見された^<40>Caの超変形バンドを分析し、これが空間反転非対称変形(Y_<30>とY_<31>)に対して非常にソフトであることを示すとともに周辺の^<32>S,^<36>Ar,^<44>Tiでも超変形状態が、^<40>Ca,^<44>Ti,^<48>Crのより高スピン領域でハイパー変形状態が存在することを理論的に示唆した。 2.中性子過剰領域で超変形魔法数(4,10,16,30,42)を持つと期待される^<14>Be,^<26>Ne,^<46>S,^<72>Znに対してCranked Skyrme-HF計算を遂行し、これらの核で超変形解を見つけた。 3.最近開発されたAdiabatic SCC (Selfconsistent Collective Coordinate) Methodの変形共存現象に対するfeasibilityを調べるために、これをmulti-O(4)モデルに適用し、異なるHartree-Fock極小点を結ぶcollective pathがユニークに求まることを示した。 4.ごく最近、^<163>Luにおいて、超変形イラスト線近傍にWobbling Modeが励起したと解釈できる高スピン回転バンドが見つかった。これは軸対称性の破れに伴って出現する3次元的な新しい回転モードである。我々は「回転座標系シェルモデル+RPA」に基づく数値計算を実行し、実験データに対応するWobbling解を得るとともに、高スピン超変形状態においてWobbling Motionが実現するための物理的条件を分析し、positive-γ変形をもった原子核でWobbling Motionが存在する為には準粒子の回転整列(alignment)が不可欠である、という結論を得た。 5.3次元spheroidal cavityに対して、改良された停留位相近似に基づく新しい半古典トレース公式を導出し、超変形シェル構造の形成機構を解明する仕事に取り組んできたが、2次近似では量子シェル構造の再現に不充分な場合があることが分かり、3次のorderまで精度を上げた計算を遂行した。
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