研究概要 |
1.Unrestricted SHF法(対称性に制限を課さない3次元座標空間表示によるSkyrme-Hartree-Fock法)で得られた平均場を基底として(particleを3次元座標表示、holeを一粒子固有状態で表現する)混合表示selfconsistent RPA計算を遂行し、^<32>S,^<36>S,^<48>S,^<50>Sの超変形状態の上に形成される負パリティ低励起モードの性質を分析した。計算結果は、中性子数の増大につれて中性子の寄与が支配的になること、遷移強度の非常に大きい非軸対称octupole型の低励起モードが系統的に現れることを示している。 2.Adiabatic SCC (Selfconsistent Collective Coordinate) Methodを^<68>Seや^<72>Kr周辺の原子核におけるoblate変形とprolate変形の共存現象に適用した。oblate変形とprolate変形に対応する(Hartree-Fock-Bogoliubov平均場の)異なる平衡点をつなぐcollective pathをselfconsistentに決定し、このような大振幅集団運動を記述する集団ハミルトニアンを微視的に導出することに成功した。得られたcollective pathは軸対称性を破る変形自由度(γ変形)の方向にあり、oblate変形極小点とprolate変形極小点に跨る大振幅集団運動における非軸対称変形ダイナミクスの重要性を示している。 3.回転座標系RPAに基づいて、^<168>Hf,^<167>Lu,^<174>Hfにおける(軸対称性を破った超変形核での新しい3次元回転モードである)wobbling modesの性質を分析し、このモードが生成される微視的機構を明らかにするとともに、ごく最近得られた実験データと比較した。計算結果は高速回転による準粒子の角運動量整列と非軸対称変形の微妙なバランスでwobblingモードの性質が決定されることを示している.
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