(1)Yang-Mills-Einstein理論におけるモノポール・ダイオン解のスケーリング則を導いた。漸近的に反de Sitter空間のモノポール・ダイオン解は、漸近的に平坦な空間でのモノポール解(Bartnik-McKinnon解)を背景反de Sitter空間でのモノポール・ダイオン解に着せつけることで近似的に得られる。 (2)Weinberg-Salam-Einstein理論で宇宙が閉じている場合、一時、Higgs場とYang-Mills場が絡まった配位をとる可能性があることを明らかにした。宇宙の膨張とともに、この配位は不安定となり、より安定な状態に移っていく。この過程で大きな磁場が自然に生成されることを示した。U(1)ゲージ相互作用は、空間の等方性をこわすが、一様性は保つことも明らかにした。(窪田、江本との共同研究) (3)Scalar-Einstein理論でスカラー場のポテンシャルが二つの極小値を持つとき、宇宙的殻構造が生じることを発見した。スカラー場のエネルギー・スケールがPlanck質量に比べて小さく、空間が漸近的にde Sitterのとき、いつでも起こる現象で、普遍的なものである。(中嶋、Kapusta、Daghighとの共同研究) (4)更に、Scalar-Einstein理論でスカラー場に結合するフェルミオンがあると、中心部ではfalse真空、外側ではtrue真空となる球状の配位が実現することも示した。エネルギー・スケールによって、初期宇宙で生成されたかもしれないし、現在、暗黒物質として存在するかもしれない。(橋本(原)との共同研究)
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