場の理論と重力理論の様々な性質が解明された。 1.重力中では、内側が偽真空(false真空)、外側は真の真空となるスカラー場の配位がフェルミオンがあると安定になるうることを示した。内部はanti-de Sitter space、外部は、Schwarzschild spaceとなる。フェルミオンの湯川結合が重要な働きをする。初期宇宙において生成されるlump solutionとしても、また、現在の宇宙での暗黒物質の候補ともなる。 2.Weinberg-Salam-Einstein理論で宇宙が閉じてる場合、Higgs場とYang-Millls場が絡まった配位をとり、宇宙の膨張とともに、この配位が不安定となり、より安定な状態に移っていく。この過程で大きな磁場が自然に生成されることを示した。 3.オービフォルド上の大統一ゲージ理論では、細谷機構による対称性の再編成が力学的におこる。境界条件の同値類の概念が導入され、一つの同値類の中では、境界条件の対称性にかかわらず、量子効果により同じ物理的対称性が実現することが示される。私は、この同値類のどれが力学的に選ばれるかをエネルギーを評価することで決める方法を提唱し、さらに、波場、川村とともにS^1/Z_2上のゲージ理論の分析をおこない、通常の物質場のみが存在する場合は、4次元でMSSM(超対称標準模型)が残念ながら出てこないことを示した。少し、余分な場をいれると、4次元でMSSMを実現することができる。 4.超弦理論は10次元で定義されるが、観測されている時空は4次元である。見えていない6次元は弦理論ではWeyl不変性を保証するものとなっていないといけない。曲がった空間で、かつB場がnontrivialな配位が整合的に存在することを示した。
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