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2003 年度 実績報告書

宇宙構造の起源・進化の双方向研究

研究課題

研究課題/領域番号 13640285
研究機関大阪大学

研究代表者

横山 順一  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50212303)

キーワード密度揺らぎ / 宇宙背景輻射 / スペクトル / インフレーション / WMAP / 再イオン化 / 宇宙年齢 / 銀河の化学進化
研究概要

2003年2月に宇宙背景輻射探査衛星WMAPの初年度データが発表され、それによって宇宙論は誤差の値まで詳細な議論のできる精密科学の時代に入った。このデータの発表を受け、私はまず銀河の化学進化に基づく高赤方偏移での宇宙年齢推定法とWMAPの初年度データを双方考慮すると、I型超新星爆発を起こすふつうの星も従来以上に高赤方偏移で形成が始まったことを明らかにした。
また、WMAPの初年度データは揺らぎのスペクトル指数がスケール依存性を持ち、大スケールで1以上、小スケールで1以下に変化している可能性を強く示唆した。従来このような変化を実現するインフレーションモデルは知られていなかったが、超重力理論においてハイブリッドインフレーションとニューインフレーションを結びつけることにより、これを実現することができることを示唆した。さらにより考察を進め、WMAPの初年度データが得たもう一つの新しい結果である、宇宙の早期再イオン化を実現できるような密度揺らぎのスペクトルを小スケールで生成できるように改良を加えた。
宇宙背景輻射の非等方性データから初期揺らぎのスペクトルを再構築する方法をわれわれは既に開発していたがこれをWMAPの初年度データに応用したところ、細かな振動構造を持ったスペクトルが再現された。この多くは観測誤差によるものだと思われるが、モンテカルロ計算の結果、一部にはスケール不変スペクトルからの有意なズレがあることを見出し、初期揺らぎが細かな構造を持っていた可能性が高いことを明らかにした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 小合徳幸, 松宮慎, 佐々木節, 横山順一: "Reconstructing the primordial spectrum from WMAP data by the cosmic inversion method"Astrophysical Journal. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] 山口昌英, 横山順一: "Chaotic hybrid new inflation in supergravity with a running spectral index"Physical Review. D68. 123590(9) (2003)

  • [文献書誌] 瀬戸直樹, 横山順一: "Probing the equation of state of the early universe with a space laser interferometer"Journal of the Physical Society of Japan. 72. 3082-3086 (2003)

  • [文献書誌] 川崎雅裕, 山口昌英, 横山順一: "Inflation with a running spectral index in supergravity"Physical Review. D68. 023508(7) (2003)

  • [文献書誌] 横山順一: "Probing the star formation epoch with Wilkinson Microwave Anisotropy Probe(WMAP) data and high-redshift QSOs"Publications of Astronomical Society of Japan Letter. 55. L41-L44 (2003)

  • [文献書誌] 馬場一晴, 横山順一: "Large-Scale magnetic fields from inflation in dilaton electromagnetism"Physical Review. D69. 043507(15) (2004)

  • [文献書誌] 横山順一他: "大学院宇宙物理"講談社サイエンティフィク(印刷準備中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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