研究課題/領域番号 |
13640287
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
嶋 達志 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (10222035)
|
研究分担者 |
豊川 弘之 産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 研究官
大垣 英明 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (10335226)
永井 泰樹 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80028240)
|
キーワード | 光核反応 / 荷電対称性 / ^4He / 標識ガンマ線 |
研究概要 |
本計画は、エネルギー30MeV〜100MeVのガンマ線によって引き起こされる^4He原子核の光分解反応を精密に測定し、その反応機構を明らかにするとともに、核力における荷電対称性を検証することを目的どする。平成14年度の研究活動の内容は以下の通りである。 (1)タイムプロジェクションチェンバー(TPC)検出器がキャッチした光分解反応のイベントと、反応を起こしたガンマ線光子との一対一対応性を確保するため、反応が起こった時刻を高精度に決定するためのトリガー用検出器を開発し、動作試験を行なった。この結果、トリガー用検出器が、時間分解能1.1ns(1σ)、エネルギー閾値1MeVという、本実験に対して十分な性能を持つことを確認した。 (2)上記のトリガー用検出器をTPC検出器に組み込み、核理研において実際に標識ガンマ線を照射し、^4He光分解の測定を行なった。40000秒強の測定で約40万イベントの生データを収集し、これをオフライン解析することにより、真の光分解事象と見做されるイベントを抽出した。最終的な結果については現在詳細な解析を行なっているが、これまでの解析で、実際に^4Heおよび混合ガスに含まれる^<12>Cの光分解事象と見做されるイベントの同定に成功しており、また、同じくオフライン解析の結果から、トリガー用検出器とガンマ線標識用検出器が同時計数した場合にのみデータを収集するよう工夫することで、測定時のデータ収集回路系の死時間を10%以下に低減できることが見出された。
|