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2001 年度 実績報告書

ヒッグス粒子の崩壊とCP対称性の破れの起源

研究課題

研究課題/領域番号 13640290
研究機関広島大学

研究代表者

両角 卓也  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20253049)

キーワードCP対称性 / 物質の起源
研究概要

素粒子物理学の大きな研究テーマのひとつに物質生成の起源の解明の問題がある。これは、宇宙の物質と反物質の量を比較すると物質の方が圧倒的に多いという事実をいかに解明するかという間題である。この事実を説明するための条件のひとつとしてCP対称性の破れがある。CP対称性の破れとは素粒子の基本相互作用における物質と反物質の相互作用の違いである。このような基本相互作用における物質反物質の対称性の破れが存在するために、我々を構成する原子は陽子や電子から構成されており、反原子(反陽子や陽電子)からできていない理由が説明される。CP対称性の破れの起源を研究することは、素粒子物理学の最重要課題のひとつである。現在の素粒子の標準模型では、CP対称性の破れは、小林、益川によって導入された1つのパラメーターに集約され、小林益川理論と呼ばれている。この理論は現在Bファクトリーと呼ばれるB-反B中間子を大量に発生させる加速器をつかって、精密に検証されつつありこれらの実験事実と矛盾はない。一方、標準模型の範囲では、観測されているニュートリノの質量やニュートリノ振動が説明できない。また、小林、益川の導入したCP対称性の破れのパラメーターだけでは、前述の物質生成の間題の説明はできないと考えられている。これらを踏まえ、ニュートリノの質量や振動、および物質生成を説明できる可能性のある標準模型の拡張としてシーソー模型を取り上げ、その模型におけ季CP対称性の破れ、およびレプトン数の破れ(=レプトン数(物質)生成)に関する研究を推進した。レプトンセクターにおけるCP非保存現象、特にレプトン数生成と低エネルギーにおけるCP対称性の破れ(ニュートリノ振動など)の相関に関する研究を行い、両者の間の相関を調べた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Endoh: "CP violation in the seesaw model"Physical Review D. 64. 013006-010015 (2001)

  • [文献書誌] G.Bronco: "A Bridge between CP violation at Low Energies and Leptogenesis"Nuclear Physics B. 617. 475-492 (2001)

  • [文献書誌] T.Endoh: "Numerical study on the correlation between CP violation in neutrino oscillations and Baryogenesis"Nuclear Physics, supplement. (発表予定).

  • [文献書誌] G.C.Branco: "A relation between CP violation of low energy and leptogenesis"Nuclear Physics, supplement. (発表予定).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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