研究概要 |
主にCP対称性の破れの起源に関連して物質、反物質非対称性を説明するレプトジェネシス(レプトン数生成によるバリオン生成)を取り上げ,物質反物質非対称性を生じるのに必要なCPの破れが低エネルギーのニュートリノ振動実験のCPの破れに影響をあたえるのかを研究した。本研究によって新たに明らかになった知見は次のとうりである。 1.レプトジェネシスの基礎となる模型であるシーソー模型のCP対称性の破れの独立な位相の数を明らかにした。(重いマヨラナニュートリノが2個の模型で3、3個の模型で6など)さらにその内レプトン数生成に関連するCP対称性の破れの位相を同定した。 2.レプトンの混合行列 牧中川坂田行列にレプトン数生成のCPの破れがどのように効いてくるかを明らかにし、ニュートリノ振動実験で測定されるCPの破れとバリオン数生成に必要なCPの破れの相関関係をしめした。特に100%相関がある場合を具体的に構成しU_<e3>のCPを破る位相がレプトン数生成の位相と直接関係することを示した。 3.重いマヨラナニュートリノが2つある模型をとりあげこの模型が現在のニュートリノ振動実験からくる制限を満たしつつバリオン数を説明するために必要なマヨラナニュートリノの下限値を得た。
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