研究課題/領域番号 |
13640293
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
山内 誠 宮崎大学, 工学部, 助教授 (80264365)
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研究分担者 |
高岸 邦夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (80041060)
廿日出 勇 宮崎大学, 工学部, 教授 (30221500)
松澤 英之 宮崎大学, 工学部, 助手 (30301443)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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キーワード | 国際情報交換 / トランジェント天体 / ガンマ線バースト / 観測 / 人工衛星 / X線スペクトル / 可視光観測 / 残光 |
研究概要 |
HETE2衛星は平成13年度初めに定常観測を開始し、これまでにほぼ300個におよぶγ線バーストを発見した。さらにこのうち約70個については詳細な位置を、発見から数十秒程度でインターネットを通して世界中に速報し、多波長での追観測を可能とした。このような追観測によりγ線バーストの半数近くにX線や可視光、電波の残光が見つかり、さらにその約半数についてバースト源までの距離を求める事ができた。これらの結果からγ線バーストとIc型超新星との関係を確実なものとした。 またHETE2衛星により発見、観測されたγ線バーストは、そのスペクトルの特徴により典型的γ線バースト、X線過剰γ線バースト、X線フラッシュの3種類に分類できる。しかし観測例が増えるにつれ、これらの分類がはっきりとした境目を持つものではなく、スペクトルは連続的に分布していることがわかった。また、スペクトル中で放射エネルギー量が最大となるピークエネルギーと、等方的に放射しているとみなしたときの全放射エネルギーとの間の強い相関を典型的なγ線バーストに対して見いだしたが、これを外挿すると、この相関がX線フラッシュにも当てはまることがわかるなど、これら3種類のバーストが同一現象を起源としている可能性の高い事を示した。 さらに宮崎大学に構築した可視光残光自動観測システムでは、HETE2衛星からの速報を受け、GRB030329とGRB041006について可視光残光の観測に成功している。特にGRB041006ではバースト発生から70秒後には可視光残光を捉えている。これは世界で最も早い観測であり、これまでにも数例しかない早期の光度曲線を得ることができた。その結果、残光の等級変化に2箇所の折れ曲りを見出すことができ、これらの変化が残光に対して提案されているシンクロトロンショックモデルでうまく説明できること、および残光発生においてフォワードショックが重要な働きをしていることがわかった。
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