研究分担者 |
宮本 修治 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 助教授 (90135757)
望月 孝安 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (80101278)
安東 愛之輔 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (80044783)
青木 一彦 姫路工業大学, 工学研究科, 講師 (60047628)
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研究概要 |
姫路工業大学・高度産業科学技術研究所に設置されている電子加速蓄積リング「ニュースバル」を利用してレーザー・電子逆コンプトン散乱による高エネルギー(最大17.5MeV)γ線発生実験を行った。その結果について報告する。 (1)蓄積電子エネルギーは1GeV、入射レーザー波長1.064μmの時、発生最大γ線エネルギーは17.5MeVである。ニュースバルの長直線部(14m)に、6枚のミラーと1枚のレンズを用いてレーザーを入射し、長直線部中央に集束させる光学系を設置した。蓄積電子軌道とレーザー光軸との軸調整を行うために、レーザー源、2枚のミラーを稼動可能なシステムにした。発生γ線数が最大になるようにこのレーザー源、2枚にミラーを駆動させ、最適条件を見出した。γ線検出のための検出器は、NaIシンチレータまたはGe半導体検出器を使用した。 (2)鉛コリメータ径を3種用意(20mm,10mm,3mm)してそのエネルギー幅を制限制御出来るようにした。 (3)電子エネルギー1Gev、レーザー波長1063nm、最大エネルギー17.5MeVの時、衝突領域で発生するγ線数は測定したエネルギースペクトルと計算結果との比較から約9.1×10^3 photons/sec/mA/Wであり、発生光子数は他の施設と比較して、遜色がない。 (4)EI巨大共鳴を励起するための実験の試みとして、コリメータ径を20mmφにして、Au(25mmΦ、厚さ20mm)を標的にして、Au(γ,n)反応実験を行った。Au標的に直接照射、0°でGe半導体検出器で透過量を測定するTransmission法と^<197>Auの(γ,n)反応で^<196>AuからのECにより^<196>Ptに変換され、^<196>Pt励起状態から放出されるγ線測定(E_γ=356keVおよび333keV)する放射化分析による巨大共鳴励起のの確認を行った。この測定結果からそのピーク全断面積は500mbを得た。Transmission法による巨大共鳴励起は巨大共鳴の研究だけでなく、核変換による放射性廃棄物処理法の一つの研究にもなる。 今後、これらの方法により、巨大共鳴だけでなく、その微細構造、また離散励起状態等構造研究を進める。
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