ケイオンの深い束縛状態を生成し測定する実験方法について広く考察を加えた。測定には大きく分けて二つの方法がある。一つは、生成チャンネルから見る方法で、ケイオン、パイオン、陽子のビームを使って深い束縛状態を励起し観測する。他の一つは、崩壊チャンネルから普遍質量のスペクトル分布を見るものである。今回の研究課題で生成断面積の計算ができたので、日本、イタリア、ドイツなどの施設で実験の可能性が検討されている。日本の高エネルギー加速器研究機構で得られた実験結果の公表が近々行われるので、理論面でも解析の準備を進めた。 ケイオンの深い束縛状態は世界的に興味がもたれて来ており、京都、釜山などでペンタクオークの緊急会議が持たれた際に招待講演の依頼があり行ってきた。さらに今年になって、フラスカッチ、北京での講演依頼がきている。理論、実験共にエキサイテイングな段階に来ており、生成方法を広く検討した本研究の成果が活かされる状況が出てきている。
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