研究課題/領域番号 |
13640307
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
阿部 和雄 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (80167931)
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研究分担者 |
佐川 宏行 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (80178590)
堺井 義秀 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (90170571)
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キーワード | 素粒子物理学 / B中間子 / 反粒子 / 中間子の混合 / CP非保存 |
研究概要 |
B^0中間子系では大きな混合があることがすでに知られている。電弱相互作用の高次項によって誘発されると考えられているこの混合現象はΔm_dと呼ばれる量で記述され、素粒子標準模型の最も基本的なパラメータのひとつである。本研究はこのパラメータをいくつかの異なる方法で精密に測定して、標準模型だけで記述が可能なのか、それとも新しい現象の導入が必要なのかを見極めようとするものである。 14年度は、これまで蓄積されたデータの解析から4つの異なる方法によるΔm_dを2%から3%の精度で測定することに成功し、結果を論文としてまとめることが出来た。4つの平均をとると 【numerical formula】 という結果になる。これまで最も精度のよい結果である。この結果を用いてΔm_dに影響を与える可能性のある新現象のうち、OPT対称性の破れを探索した。もしCPT対称性が破れているならば、粒子と反粒子の質量は同じである必要はなくなる。求められた上限は 【numerical formula】 となった。この探索は今後さらにデータ量を増やして続ける予定である。この精密検証は、最近活発に研究されている超弦理論と密接に関係していて興味深い。
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