研究課題/領域番号 |
13640313
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
梶野 敏貴 国立天文台, 理論天文学研究系, 助教授 (20169444)
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研究分担者 |
本林 透 立教大学, 理学部, 教授 (20116114)
安藤 裕康 国立天文台, ハワイ観測所, 教授 (90111559)
千葉 柾司 国立天文台, 理論天文学研究系, 助教授 (50217246)
住吉 光介 沼津工業高等専門学校, 助教授 (30280720)
谷畑 勇夫 理化学研究所, 主任研究員 (10089873)
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キーワード | 宇宙年齢 / 超新星爆発 / ニュートリノ / 金属欠乏星 / 放射性重元素 / 銀河の化学進化 / Rプロセス / Sプロセス |
研究概要 |
宇宙核年代計として用いることができる長寿命の放射性重元素Rb、Pd、I、Ru、Hf、Re、Os、Tl、Th、U、Pu等は、大質量星の終焉における超新星爆発の際に発生するニュートリノ駆動風での速い中性子捕獲反応(R-プロセス)や、小中質量晩期型AGB星における遅い中性子捕獲反応(S-プロセス)によって作られると考えられている。これら爆発的天体現象を記述する理論モデルを構築し、大型科学計算機を駆使した爆発流体のシミュレーション、および、元素合成過程の理論数値シミュレーションを実行した。計算に必要な原子核反応データは、理化学研究所、東京大学原子核科学センター、米国ミシガン州立大学国立サイクロトロンセンターをはじめとする世界の原子核・素粒子実験施設における原子核反応構造実験から取得した。測定できない原子核データと、特に重力崩壊型超新星爆発で重要となるニュートリノ・原子核反応断面積は、素粒子・原子核理論を用いて理論的に計算した。これらの研究により、最近の天文観測から明らかになってきた銀河ハローに起源を持つ金属欠乏星の著しいRプロセス元素量の超過が、第一世代の超新星爆発に起源を持つ可能性があることを定量的に示した。超金属欠乏星に見られる元素組成比が太陽系Rプロセス元素組成比に著しく近いという、いわゆるユニバーサリティーが成立する領域は、第二ピークと第三ピークの間に限られ、ThやUなどのアクチノイド元素量は超新星ニュートリノ駆動風の動熱力学的条件に非常に敏感に左右されることを明らかにした。
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