研究課題/領域番号 |
13640331
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
音 賢一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30263198)
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研究分担者 |
鷹岡 貞夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50135654)
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キーワード | 閉じ込めポテンシャル / 量子ホール効果 / エッジチャネル / サイドゲート / 空乏層 / 局所電子濃度分布 / Si-MOSFET / 試料端 |
研究概要 |
半導体2次元電子系や量子細線などの低次元電子系では、試料端での電子散乱や局所的な電子濃度の分布が電気伝導に大きく影響するため、試料端の詳細な情報は低次元電子系の電気伝導の理解に不可欠である。これまで単に「空乏層」として見過ごされてきた試料端での電子の閉じこめポテンシャルの空間分布について、本研究では量子ホール効果でのエッジチャネルの広がりの計測をプローブとして調べることを試みた。 様々な方法で加工した2次元電子系試料および極微細線の量子ホール状態における電気容量計測からエッジチャネル幅の測定を行った。化学エッチング、イオン打ち込み、ゲートによる電場閉じ込めなど試料の加工法や材料の違いにより試料端の閉じこめポテンシャルの空間分布がどのように変化するのかを系統的に調べることを目的に、本年度は以下の研究を行った。また、成果を2次元電子系の性質国際会議(2001年プラハ)や国内学会・研究会等で発表し議論を行った。 (1)サイドゲートの作る閉じこめポテンシャル サイドゲートによる電場閉じ込めを用いて試料端の閉じ込めポテンシャル形状をゲートバイアスで自由に制御できる試料で、整数量子ホール状態でのエッジチャネル幅を測定し、試料端での局所電子濃度分布を求め、閉じ込めポテンシャルの空間分布を調べた。 (2)様々な半導体2次元電子系のエッジチャネルと閉じ込めポテンシャル 一般的なGaAs/AlGaAsヘテロ試料のほかに、Si-MOSFET 2次元電子系における閉じこめポテンシャルの様子を調べ比較検討した。Si-MOSFETでは、エッジチャネルがGaAs/AlGaAs 2次元電子系に比べて拡がっており、2次元電子系の不規則ポテンシャルと閉じ込めポテンシャルの分布が密接な関連を持っていることが分かった。
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