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2002 年度 実績報告書

新2重ハニカム格子超伝導体の探索

研究課題

研究課題/領域番号 13640347
研究機関東北大学

研究代表者

社本 真一  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90235698)

研究分担者 梶谷 剛  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80134039)
キーワード2重ハニカム格子 / 超電導 / 物質探索 / HfNCl
研究概要

現在までに常圧で合成可能な2重ハニカム格子超伝導体,Li_XZrNCl, Li_XZrNBr, Na_XHfNClの大量合成を行い,それらの結晶構造を中性子回折を利用して決定してきた.その結果,ハリソンによる遷移積分t(バンド巾に比例)の減少に対応して,T_Cが上昇することが明らかとなった.これはHfという重い原子を含むHfNCl系でも,格子が硬く,フォノンのデバイ温度θ_Dが下がらないことに助けられている.新超電導体探索としては,現在までに,YOCl, TaON, CeSI等の合成を行ってきた.これら物質群ではいずれもθ_Dが変わらないとする上記の関係からすれば,30K程度の高い超伝導転移温度が期待される.その結果,1ppm以下の水分量の循環ガス精製式のグローブボックス中で,Li_XYOClの合成に成功し,絶縁体であることがわかった.これは2重ハニカム格子化合物で,初めてキャリアがドープされた絶縁体を発見したことになる.しかもその磁化の温度変化は非常に珍しいもので,スピンギャップ的であるが,室温以上から磁化に履歴がある.これは部分的に占有した局在スピンが,磁場中で配列を変えていると思われ,大変興味深い.またこのことから,反対に,Na_XHfNClが絶縁体に近い金属であることもわかった.今後Li_XYOClが圧力下で,超伝導体となるのかどうか,またその磁化の振る舞いがどのように変化するのかという点に興味が持たれる.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Shamoto et al.: "Substitution Effects on Ferromagnetic Mott Insulator Lu_2V_2O_7"Journal of Physics and Chemistry of Solids. 63. 1047-1050 (2002)

  • [文献書誌] Y.Miyazaki et al.: "Incommensurate structure of Ca_<1-X>CuO_2"J.Solid State Chem.. 163. 540-545 (2002)

  • [文献書誌] T.Yokoya et al.: "Valence-band-photoemission study of β-ZrNCl and quasi-two-dimensional superconductor Na_XZrNCl"Physical Review B. (in press).

  • [文献書誌] S.Shamoto et al.: "Structural study of Na_XHfNCl"Solid State Sciences. (in press).

  • [文献書誌] S.Shamoto: "Recent Research Developments in Physics(Structural study of double honeycomb lattice superconductors)"Transworld Research Network(in press).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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