研究課題/領域番号 |
13640359
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山田 銹二 信州大学, 理学部, 教授 (00023151)
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研究分担者 |
志水 久 信州大学, 理学部, 助手 (60311693)
寺尾 洌 信州大学, 理学部, 助教授 (40020664)
永井 寛之 信州大学, 理学部, 教授 (60020674)
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キーワード | 遍歴電子 / メタ磁性 / 電子構造 / 金属間化合物 |
研究概要 |
1. C22型化合物Fe_2Pの研究 Fe_2Pの電子構造をLMTO法で計算した。固定スピンモーメント法の計算から、結晶中の3gサイトの鉄は強磁性であるが、3fサイトの鉄はメタ磁性的な振る舞いをすることが分かり、この化合物の特異な磁性(キュリー温度での1次転移等)がスピンゆらぎを考慮することにより解明され、従来の考え方と異なる新しい理論で説明されることを示した。本研究は、Phase Transition (2002)に掲載される予定である。 2.遍歴電子磁性体MnAsの電子構造の計算 弱い強磁性の典型とされるこの物質は、キュリー温度付近で異常な磁性を示す。本研究では、MnAs_<0.7>Sb_<0.3>の高圧、強磁場測定を行うと同時に、電子構造の計算を行い、実験と理論を比較し、良い一致を得た。とくに、この化合物の磁気モーメントは、結晶のc軸の長さにはあまりよらず、a軸の長さに敏感であることを示し、実験から予測される結果を導くことができた。本研究は、J. Alloys and Compounds (2001)に掲載された。 3.遍歴電子メタ磁性体の磁気体積効果の研究 Landau-Ginzburg理論に基づく遍歴電子メタ磁性の模型に、磁気体積効果の影響を取り入れて、キュリー温度の異常な圧力効果や磁気相図をスピンゆらぎ理論を用いて議論した。本研究は、Phys. Rev. B (2002)に掲載された。また、立方晶ラーベス相構造をもつLu(Co,M)_2 (M=Al, Ga)の測定を行い、理論と比較検討し、それらの間に良い一致が得られた。この研究は、Phys. Rev. B (2001)およびJ. Phys. : Cond. Mat. (2001)に掲載された。この研究テーマに関する総合報告も、Physica B (2001)に掲載されている。
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