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2002 年度 実績報告書

結晶ポテンシャルを調節可能な超純粋固体における量子摩擦と転位のピン止め機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13640360
研究機関名古屋大学

研究代表者

三浦 裕一  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30175608)

キーワード固体ヘリウム3 / フェルミ固体 / 転位の運動 / 量子効果 / 固体の融解
研究概要

独自に開発した極めて高感度のねじれ共振器を用いて転位の運動を精密に測定し、固体^3Heの融解する直前の状態を研究した。
この共振器により、10のマイナス8乗に至る極めて微小な歪率(応力に比例)から10のマイナス5乗までの広い範囲で、固体^3Heの剛性率と内部摩擦によるエネルギー損失を、同時に精密に求めることができた。そして転位が乗り越えるべきパイエルスポテンシャルの大きさのモル体積(密度の逆数)依存性を測定した。固体の融点近傍では極めて不安定な状態が理論的に予想されている。通常の固体の融点近傍では、温度上昇に伴う熱的揺らぎが大きく、本質的な揺らぎがマスクされていると考えられる。しかし固体^3Heでは量子効果のため、あるモル体積の範囲では温度低下につれて融解するという大きな特徴があり、これを利用して熱的揺らぎのない融解現象を研究した。
一般に固体の融解は一次相転移であるので、平衡状態では前駆現象は期待できない。しかし微少な応力を加えた非平衡状態では、固体中に融解の前駆的な揺らぎが存在する可能性が残される。本実験で測定された振れ剛性率は横波に対応し、液体には存在しない固体に特有な物理量である。融点近傍において、この捩れ剛性率の異常が観測され、「熱的揺らぎ」ではない本質的な融解の前駆現象を実証した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yuichi MIURA: "Atom Tunneling Phenomena in Physics, Chemistry and Biology"Tetsuo Miyazaki(Springer社). 220 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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