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2001 年度 実績報告書

反強磁性固体ヘリウム3の磁気異方性と磁壁の構造

研究課題

研究課題/領域番号 13640363
研究機関京都大学

研究代表者

佐々木 豊  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60205870)

研究分担者 水崎 隆雄  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20025448)
キーワード核整列固体ヘリウム3 / 反強磁性 / 磁区構造 / 核磁気共鳴映像法 / 磁壁 / メモリー効果 / マイクロケルビン / 自由誘導減衰
研究概要

超低温度核磁気共鳴映像法(MRI)の本格的応用として反強磁性固体ヘリウム3の磁区構造の可視化をめざした実験を開始。反強磁性相のスピンダイナミックス特有の非線形性を避けるため、微少角励起パルスによる自由誘導減衰(FID)のみを用いたMRIで実用的な時間で反強磁性固体ヘリウム3の磁区画像を取得できることを実証した。この仕事では世界初のマイクロケルビン領域でのMRI画像を得たことも特筆されるべきである。この成果として永年未解明のままであった反強磁性相における磁壁の配位が(110)面であり、その両側の磁区の異方軸(100)は磁壁と45度方向に配位する二種類のみであることを特定することができた。またスピン構造の対称性の異なった擬強磁性相との間を磁場掃引によって往復させたとき相転移によっていったん消失した反強磁性相の磁区構造が再び回復するメモリー効果を確認することができた。このメモリー効果の原因については究明中であるが、現段階では磁気異方性に伴う格子歪みが有力な原因ではないかとみている。また同時に超流動ヘリウム3-B相中での固体ヘリウム3の結晶成長メカニズムに付いての研究を行った。超流動ヘリウム4中での固体ヘリウム4の結晶成長メカニズムと同様輸送がボトルネックとならない成長が期待されたが、固体ヘリウム3の場合は核スピンの輸送が重要な役割を果たしていることがわかった。現在さらに精度を上げた測定の為に設備改善を行っている所である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Ueno, Y.Kawaguchi, Y.Kinoshita, Y.Sasaki, T.Mizusaki: "Magnetic Domain Structure of U2D2 Solid ^3He by Using the Magnetic Resonance Imaging"Journal of Low Temperature Physics. 127. 1-10 (2002)

  • [文献書誌] Y.Kawaguchi, T.Ueno, Y.Kinoshita, Y.Sasaki, T.Mizusaki: "Crystal Growth and Melting of Nuclear-Ordered Solid ^3He"Journal of Low Temperature Physics. 126. 27-32 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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