研究概要 |
アルカリ金属原子を用いて行われているボーズ・アインシュタイン凝縮実験を念頭におきながら理論的研究を実行した.特に光学トラップ法によって原子のスピンを生かしたまま冷却したいわゆるスピナーボーズ・アインシュタイン凝縮(BEC)に焦点をあてた.回転下のスピナーBECは光の内部自由度に由来した豊富な量子渦が形成されることが予想される.この観点から従来の一成分BECの理論を三成分に拡張しつつ,可能な渦の分類を行い,いくつかの興味ある渦構造を見出した.超流動^3Heで予測されていたMermin-Ho vortexがスピナーBECでも安定に存在しうることを計算によって示した.又そのvortexに伴う集団励起も求めた.この理論を発表した後に,アメリカのMITのKettrleグループによって^<23>Naを用いて実際にMermin-Ho vortexが実験的に観測され理論の正しさが実証された.
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