• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

トポロジカルフラストレーションに起因するスローダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 13640387
研究機関愛媛大学

研究代表者

渕崎 員弘  愛媛大学, 理学部, 助教授 (10243883)

キーワードトポロジカル / フラストレーション / ガラス / 緩和現象 / 液体 / 沃化錫
研究概要

1 高密度四面体分子液体の形状因子と構造因子及び秩序変数の効率的計算方法の確立
トポロジカルフラストレーションによる構造緩和のスローダウンが期待される高圧化での沃化錫液体の実験的研究を推進した。SPring-8のBL14B1ステーションに設置された高温高圧発生装置を使用してエネルギー分散法による沃化錫液体の放射光X線その場回折実験を行った。トポロジカルフラストレーションによる分子のクラスタ化をディテクトすべくエネルギー分散法においても有意な形状因子を構造因子とは分離して抽出する必要があり、このためFunakoshi-Kawamuraの方法の基本的なアイディアを借用し更に効率的な解析方法を開発した。この方法を現在オンサイトでの解析に供するためのソフトウェアを制作している。
2 動的密度汎関数理論の基礎部分の補強
遅い緩和現象を動的密度汎関数理論によって系統的に議論する上でこれまで明らかになっている弱点についての基礎的研究に着手した。同理論での密度汎関数の時間発展式はSmoluchowski方程式を粗視化して得られたものである。ところがSmoluchowski方程式自体は高粘性極限で成立するものであるから粘度が低い液体については根本的な理論の立て直しが必要になる。そこで後者の場合に対しては局所密度の代わりに位相空間内の作用と角振動数を粗視化変数に取り直す方が適切である。位相空間内に張られたenergy landscape上の拡散方程式の導出を目指す。また最近本理論での粗視化の議論は原理的には可能だが現実的には困難との指摘がなされてたが、粗視化レベルを下げた場合にβ緩和が正しく記述されることを示すために新たに数値計算のプログラムを開発した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Fuchizaki: "Dynamical density functional theory for glassy behavior"Journal of Physics : Cndensed Matter. 14. 12203-12222 (2002)

  • [文献書誌] K.Fuchizaki: "Liquidus line of low-pressure phase of SnI-4"SPring-8 User Experiment Report. 8. 86-86 (2002)

  • [文献書誌] K.Fuchizaki: "Precise determination of low-pressure crystalline-liquid phase boundary of SnI-4"SPring-8 User Experiment Report. 9. 96-96 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi