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2002 年度 実績報告書

拡散場中の動的分岐形態における微視的枝構造の統計力学的役割の実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13640388
研究機関九州大学

研究代表者

本庄 春雄  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (00181545)

研究分担者 坂口 英継  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (90192591)
キーワード拡散場中の形態形成 / 樹枝状形態 / 密集分岐形態 / 拡散律速凝集体 / フラクタル / 非線形・非平衡系の統計力学 / 散逸構造 / 結晶成長
研究概要

昨年度は、計算機実験で樹枝状形態、密集分岐形態、拡散律速凝集体の分岐枝の振る舞いについて調べた。
今年度は、その結果をふまえて、正方格子のメッシュを組み込んだHele-Shawセル内にシリコンオイルを満たし、その中に窒素ガスを注入するヴィスコス・フィンガーの実験を行った。得られた樹枝状形態に関して成果は以下の通りである。
1.先端速度vと先端曲率半径ρはvρ^2=一定の関係を満たしており、結晶成長の実験や理論で確認されている結果と一致する。一般に、この関係は表面張力樹枝状形態で成立する結果であり、行った実験はカイネティック樹枝状形態についてであることを考慮すると新しい知見である。
2.ボックスカウント法で測定されたフラクタル次元は1.5であり、この結果も結晶成長の実験結果と一致する。
3.横枝で形成される包絡界面形態は3つの領域に分類される。領域Iは界面不安定で生じる初期の横枝からなる包絡界面、領域IIは拡散長内に複数の横枝が存在するため競合して、成長を止める横枝や成長し続ける横枝が混在して形成される包絡界面、領域IIIは競合の結果、主幹と同等な独立した横枝が造る包絡界面である。特徴的なことは、領域IIで成長し続ける横枝の速度が主幹の速度よりも速いことである。この結果は、主幹がいつもフレッシュな拡散場につっこんでいくことを考えると、主幹以上の速さで成長する横枝が存在するのは不思議な現象である。我々は、最近議論されているダブロン成長が樹枝状先端より速いことを考慮すると、この場合の横枝はダブロン成長をしていると予測している。樹枝状形態の研究に新たな展開をもたらす発見である。これらの実験結果をまとめて投稿準備中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Ohtaki: "A coupled map lattice model for dendrite in diffusion field"Journal of Crystal Growth. 237. 159-163 (2002)

  • [文献書誌] Y.Miyagawa: "Contraction rate of diffusion-limited aggregation"Journal of Crystal Growth. 240. 287-291 (2002)

  • [文献書誌] M.Ohtaki: "Morphology transition in diffusion field"Proceedings of Dynamics Days Asia-Pacific Second International Conference on Nonlinear Sciences. 41-41 (2002)

  • [文献書誌] M.Ohtaki: "Morphology transition in diffusion field"Proceedings of The 4^<th> Cross Straits Symposium on Materials, Energy and Environmental Sciences. 98-99 (2002)

  • [文献書誌] H.Katsuragi: "Asymptotic function for multigrowth surfaces using power-law noise"Physical Review E. 67. 011601-1-011601-4 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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