研究課題/領域番号 |
13640389
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小田垣 孝 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90214147)
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研究分担者 |
松井 淳 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (10274424)
吉森 明 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (90260588)
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キーワード | ガラス転移 / 協調緩和領域 / アダム・ギブズ理論 / ランドスケープ / 比熱 / アニールド平均 / クエンチド平均 / 秩序変数 |
研究概要 |
1.2次元平面内の2成分ソフトスフェアー系の計算機シミュレーションによって、協調緩和領域の存在を具体的に明らかにした。協調緩和領域の大きさを温度の関数として求め、その温度依存性がアダム・ギブズ理論と矛盾しないことを示した。協調緩和領域の解析からランドスケープが求められること、またその解析からランドスケープ間のダイナミックスの情報が求められることを示した。 2.エネルギーランドスケープで記述できる系の比熱を求める方法を開発した。ランドスケープの一つのベイスン内のダイナミックスをアインシュタイン模型で表し、ベイスン間のダイナミックスを記述するランダムウォークマスター方程式を解いて、観測時間の関数として比熱を求めた。観測時間が短いときは、クエンチド平均となり、観測時間が十分長いとすべてのベイスンが平均されるアニールド平均となること、さらに与えられた観測時間における比熱は,緩和時間が観測時間を超えるところで急激に変化する事を示し、ガラス転移において観測される比熱の異常がアニールド平均からクエンチド平均への転移として理解できることを示した。 3.アニールド平均からクエンチド平均への転移の秩序変数としてアニール度を定義し、アニール度の変化によってガラス転移が記述できることを示した。
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