研究課題/領域番号 |
13640408
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
千葉 明夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063657)
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研究分担者 |
野嵜 龍介 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (00180729)
佐藤 高彰 日本学術振興会, 特別研究員(PD)
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キーワード | 誘電分光測定 / アミノ酸 / ミリ波領域 / マイクロ波領域 / 実効水和水 / 水溶液 / 電解質高分子 / コイルヘリックス転移 |
研究概要 |
1.Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Pro、Cys、Metの10種のアミノ酸水溶液の研究では、アミノ酸分子の回転拡散、バルク水の共同運動、水単分子の回転の3つの緩和プロセスが存在することを明らかにした。スペクトルの分析から、アミノ酸との相互作用によって外部電場に対する配向が凍結したかに見える溶質1個当たりの水分子の数(実効水和数)と、アミノ酸の双性イオンの気相ダイポールモーメントを定量的に見積もった。実効水和数がアミノ酸側鎖の疎水性の増加と共に増加し、濃度の増加と共に減少することを明らかにした。後者はアミノ酸疎水基の会合を示唆している。更に、アミノ酸ダイポールモーメントはアミノ酸の濃度によらずほぼ一定であることがわかり、高濃度域においてもダイポール間の回転相関は無視できるという驚くべき結果を得た。 2.100M-89GHzで得られた水/2-プロパノール、水/エチレングリコール、水/tert-ブタノール系等の誘電緩和スペクトルから、各緩和過程(水素結合システムの共同運動、アルコールモノマーの回転、水酸基のフリッピングモーション及び水単分子の回転)を高精度で分離し、2成分混合の水素結合液体の緩和機構に関する新しいモデルを得た。また、活性化過剰部分モル量の分析から、疎水基の立体障害効果が水素結合の再配列ダイナミクスに重要な役割を果たすことを示した。 3.電解質高分子(カラギーナン)水溶液中において、カウンターイオンの高分子鎖への束縛とゲルの架橋構造の関係に注目し、導電性による測定精度の悪化を改善する誘電率測定装置を開発した。ポリマーの軸と平行及び垂直方向へのイオンの揺らぎに帰属される、kHz及びMHz領域で誘電緩和を観測した。前者では低温のヘリックス状態のみで巨大な緩和強度が観測され、コイルヘリックス転移による軸に沿った線電荷密度の増大と、そのイオン選択性を確認した。
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