研究概要 |
本研究では,気象衛星ノアの夜間赤外画像を使い,各火山からのデータを,日単位で自動処理し,熱異常の時間変化をWebにアップロードするシステムを開発することを第一の目的としている.本年度の研究により,東京理科大学サーバから地震研究所のサーバにAVHRRデータを自動転送するルーチン,転送した画像から対象とする火山周辺を切り出し熱異常を自動検出するルーチン,解析結果を自動的にWebにアップロードするルーチンをつくることができた.熱異常検出ルーチンについては,外国人共同研究者であるM.J.Wooster博士とロンドン大学において検討を行つた.また,当初計画していた自動解析のみでは,システム利用者に判り辛い面があることが判明したため,マニュアルで活動状況の説明などを組み込めるようにシステムを改良した.これらにより,今年度内に,準リアルタイムモニタリングシステムのプロトタイプの開発に漕ぎ着けることができた.このプロトタイプシステムの概要について,Kaneko et al.(2001印刷中)で報告した.すでに,このシステムを使い、国内の10の活火山(有珠,北海道駒ケ岳,安達太良,伊豆大島,三宅島,浅間,阿蘇,桜島,薩摩硫黄島,諏訪瀬島)を対象にした試験運用を開始している.現在,観測結果をhttp://vrsserv.eri.u-tokyo.ac.jp//REALVOLC/で公開し,次年度に向け,システムの問題点や改良点などについて,専門家からの意見を集めている
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