研究概要 |
・[本研究の目的]本研究では2つの目標を目指した。目標1:本研究に先立ち、過去4回にわたり交付を受けた文部省科学研究費補助金により、西南日本を隈無く覆い尽くす重力データベースの構築が完成した。これを初年度2001年に、西南日本重力データベース(SWJGD)(西南日本重力研究グループ(代表:志知・山本))として公表する。2000年には、地質調査所(現産総研)日本重力データベース(GSJDB)が公表されている。この2つのデータベースを合わせると、西南日本の殆ど全域で、無空白・稠密分布・高精度の重力データがそろうことに立脚し、西南日本地域での重力アトラスの出版をし、研究成果の公表・普及をする。目標2:完全にオープンな日本列島重力データベースの完成を期し、日本列島全域の無空白化を図りそのためのデータベース構築作業に着手する。データ空白域がまだ若干残っている東北日本地域でのデータ収集に着手する。 ・[本研究で達成した成果](1)重力アトラス出版準備:以下の内容で原稿・原図を作成、東大出版会に打診し出版依頼した。すなわち、西南日本で計60区画(20万地勢図対応)を取り、各区画ごとに以下の6種類の多色図版を作製する。「a)重力測定点と活断層(背景は地形陰影)(2色)、b)0,5mgal間隔重力図と活断層(2色)、c)1mgal間隔重力異常図と地質・活断層(カラー4色)、d)1mgal間隔重力異常図と地形、e)重力異常段彩図+1mgal等重力線と活断層(カラー4色)、f)重力異常勾配図と活断層(カラー4色)」の6種の図をB4サイズで同時に見られるように、3分冊・同一区画見開きにレイアウトする。(2)日本列島重力データベースの構築着手:データ処理体系が異なるSWJDB・GSJDBの両データベースの同一基準への整合と統合を順次推進した。この作業の過程で多くの疑問なデータの特定をし、データ取得機関に出かけての精査を行った。また空白域にもまだ未収録データがあり、その所有機関に直接出向いての収録に当たった。原図図版の質を格段に向上させるために、数千点におよぶデータのさらなる精度改訂とデータ分布密度が不十分な地域での測定の増・稠密化を行った。これで、1mgalの高精度を完全に保証した。
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