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2001 年度 実績報告書

流入河川水の季節変化に伴う湖水の滞留時間と物質循環の評価

研究課題

研究課題/領域番号 13640436
研究機関滋賀大学

研究代表者

遠藤 修一  滋賀大学, 教育学部, 教授 (30111884)

キーワード琵琶湖 / 河川水 / 湖水の入れ替わり / 水温 / 濁度
研究概要

琵琶湖に流入する主要な13河川を対象として、毎月一回の割合で水温・電気伝導度・pH・透視度・水位などの水文・水質観測を実施するとともに、河川水を採取して懸濁物質濃度、強熱減量、溶存イオン濃度の分析を行った。日野川には自記水温計を設置して河川水温の連続観測を行った。また、びわ湖に流入する河川のうち最大の流域面積を有する野洲川の河川水の分散を明らかにするために、河口域から沖合にかけて水温・電気伝導度・濁度・クロロフィルa・溶存酸素濃度などの三次元分布観測を毎月一回実施した。これらの観測結果によって得られたデータに加えて、気象・水文のデータを収集し、年間を通した河川水の流入パターンを求め、びわ湖水の入れ替わりについて考察を行った。その結果、河川水の流入様式は季節によってかなり異なっていることが判明した。すなわち、春季には河川水温の方が湖水温よりも高温であるため、河川水は湖の表層に流入する。夏季と秋季には、河川水は湖底付近で潜り、その後は水温躍層に貫入する冬季の河川水は鉛直循環を受けながら湖底に沿って湖に流入する。このような河川水の流入パターンと河川流量、および琵琶湖の温度構造を考慮して、湖水の滞留(入れ替わり)に関するモデルを作成し、2001年の1年間における湖水の交換率を計算によって求めた。その結果、1年間の湖水交換率は「非混合方式」や「完全混合方式」に比べてわずかに小さいことが評価された。これは、主として春季における河川水が湖の表層に流入するために、交換率が小さくなっているためである。また、例年よりも台風が少なかったために、原理的に交換率の大きい夏季の降水量がすくなかったことも大きな原因と考えられる。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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