研究課題/領域番号 |
13640445
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三澤 浩昭 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90219618)
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研究分担者 |
土屋 史紀 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10302077)
森岡 昭 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50004479)
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キーワード | 水星 / 大気 / 地上光学観測 / コロナグラフ / モデル計算 / 大気光 |
研究概要 |
水星大気の主な成分と目されるナトリウムは太陽光の共鳴散乱により明るく発光し、水星大気の起源や時間変動を伴うとされる水星の超高層環境を探る上で好適なトレーサーである。本研究の目的は以下の通りである。 1.水星大気の発光を、惑星表面付近から磁気圏の数水星半径に迄拡がる微発光域まで検出しうる、コロナグラフ式2次元撮像装置(減光量:1/1000)の開発を行うこと。 2.水星大気の空間分布およびその時間変動特性を、水星大気発光の地上観測により導出すること。 3.水星大気の生成・消散モデルの開発を行い、観測との比較により水星大気の生成・消散過程を究明すること。 上記の目的のもとに研究が進められ、本研究2年目(最終年度)である平成14年度では以下の成果を得た。 1.コロナグラフ式水星大気光2次元撮像装置の開発・観測:前年度に試作を行ったコロナグラフ式2次元撮像装置の迷光の減光対策を進め、ほぼ所期の目標値を得た。本装置を用いた初期観測を平成14年12月の水星最大離角時に試みたが、季節風による低シーイング条件のためにデータの質が低く、水星大気微発光域検出の有意性について検討中である。尚、シーイング改善が見込める平成15年4月の最大離角時に再度観測を行う予定である。 2.水星大気生成・消散モデルによる微発光域成因の究明:前年度までに開発した水星大気の生成・消散モデルを用いて、大気微発光域の成因について解析を進め、微発光域が太陽風または水星磁気圏イオンの水星面降下による大気粒子のスパッタリング、または、惑星間ダストの水星面衝突による大気粒子の蒸散が有力であるとの結果を得た。また、両過程で大気分布に特徴的な差異が生じる可能性も見出し、どちらの過程が有力であるかは、本研究の継続による水星大気の2次元撮像から得られる、微発光域の空間分布がキーとなることを示した。
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