研究課題/領域番号 |
13640448
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
品川 裕之 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (00262915)
|
研究分担者 |
荻野 瀧樹 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (00109274)
野澤 悟徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60212130)
藤井 良一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (00132712)
小川 泰信 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (00362210)
|
キーワード | Hall-MHDシミュレーション / 磁気圏 / 電離圏 / 熱圏 / 電気伝導度 / 電場 / 沿磁力線電流 / 熱圏中性風 |
研究概要 |
熱圏-電離圏-磁気圏結合をより良く理解するためには、全システムの相互作用を取り入れたシミュレーションコードの開発が必須である。本課題の目的は、このようなシミュレーションコードを開発し、熱圏-電離圏-磁気圏結合過程の理解を深めることである。特徴及び独創的な点は、Kataoka(1999)が開発した2次元のHall-MHDコードを更に発展させて、従来のMHDシミュレーションでは十分には取り入れられてこなかった、1)磁気圏内で駆動される電場と熱圏中性風の運動により作られるダイナモ電場との結合をセルフコンシステントに取り入れるとともに、2)下向き沿磁力線電流を担う電離圏電子の密度が低い場合(例えば夜側電離圏や冬半球の電離圏)に生成されると考えられる沿磁力線電場の効果や、3)ダイポール磁力線の曲がりの効果、4)微細構造について電子の慣性の効果(kinetic Alfven waves)を考慮にいれることである。本年度は、太陽風-磁気圏結合の中でも特に重要な機構の一つである、地球磁気圏前面の境界面における無衝突プラズマ中の磁気リコネクションの物理特性を理解するために、惑星間空間磁場の南北成分が定常的に南を向いている場合に、リコネクションが起きている領域でどのような磁場、及び電流系が作り出されるかという問題について研究をさらに進めた。特にHall効果に重点をおいて通常のMHDシミュレーションとの比較を行いつつ研究を行った。 冷たいプラズマによって構成される電離圏のエレクトロダイナミクスの研究に用いられたシミュレーションコードに改良を加え、磁気リコネクションに適用した。通常のMHDシミュレーションで再現される磁場、電流、そして電場のプロファイルと、Hall-MHDシミュレーションから得られるこれらの物理量とは大きく様子が異なっており、リコネクション面を貫くHall磁場、及びそれとコンシステントな面内を流れるHall電流を再現することができた。さらに、シミュレーションコードをさらに改良・発展させて、計算のさらなる効率化を図った。また、中性風の影響や磁気圏対流を引き起こす様々な駆動源を取り入れてテスト計算を行い、境界条件や初期条件の与え方や安定性の改良を行いつつ、これらを含めたコードの開発および3次元グローバル化のための検討と初期モデルの開発をさらに進めた。
|