研究概要 |
・昨年に引き続き、サブストームにおけるX=-10Re付近の近尾部でのプラズマ過程を調べるために、宇宙科学研究所からコピーした1992-2000年のGEOTAILデータ(磁場、電場、プラズマモーメント)の解析を行った。|X|が11Re以下,|X|が5Re以下の位置で観測された、はっきりしたdipolarizationの21例について、時系列解析を行うことにより、このdiporalizationに伴う数十秒〜一分程度の周期の振動現象の空間スケール(空間波長)が、数Re程度であることがわかった。また、大部分の例で、この振動現象がdiamagnetic(磁気圧と粒子圧の変動が逆相関)であることがわかった。 ・上記のデータ解析ではいくつかの観測事実を明らかにしたが、同時に、GEOTAILを含めたこれまでの人工衛星データでは、10Reよりも内側でサブストームに伴って起きている現象の成因について、決定的な結論を出すことは難しいことがわかった。このため、新たに10Reよりも内側の内部磁気圏を集中的に探査する人工衛星計画を提案し、その具体化について検討を重ねた。その結果、ピギーバック型の2機の衛星(重量約80kg)に粒子、磁場、電場、波動観測器を搭載し、内部磁気圏を探査する赤道軌道に投入する衛星計画案を立案した。
|