研究概要 |
1.X=-10Re付近,|Y|が5Re以下の位置で観測された、はっきりしたdipolarizationの21例について、時系列解析を行い、特に、磁場のelevation angleが増大(dipolarization)する直前に、数秒-10秒程度の短い時間であるが、elevation angleが大きく減少する例が複数あることを見いだした。このような現象は、以前、AMPTE/CCE衛星によって10Reよりも内側で報告されたexplosive growth phaseと呼ばれる現象とよく似ているが、今回は、それが1回ではなく、一連の変動の中で複数回起きていることもわかった。 2.特にこの中の99年8月31日に観測されたイベントに関して、より高時間分解能である64Hzサンプルの電場生データと128Hzサンプルのサーチコイル磁場データを詳しく解析した。サーチコイル磁場データから、このexplosive growth phaseのさいに低周波波動の振幅が大きく増大していることがわかった。更に電場のデータから、この時に、周期が5Hz程度の特徴的な電場の振動が、1-5mV/mという大きな振幅をもって卓越していた。この振動が、磁気圏尾部を流れる電流tail currentの流れを妨げて、観測されたような特徴的な磁場elevation angleの減少を引き起こした可能性が示された。
|