• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

CAIの合成実験:SrおよびBaをトレーサとする鉱物結晶の晶出過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13640492
研究機関学習院大学

研究代表者

長澤 宏  学習院大学, 理学部, 教授 (80080464)

研究分担者 森岡 正名  東京大学, アイソトープセンター, 助手 (20013766)
キーワードアエンデ隕石 / CAI / メリライト / 部分溶融
研究概要

アエンデ隕石中のタイプ・BのCAI(Ca, Al-rich inclusion)の組成の酸化物混合試料を出発物質として、(1)隕石中のCAIと同様の鉱物組成を持つ人工CAIの合成条件の決定、(2)Caの一部を少量のSrとBaで置換した人工CAIの合成とその結晶化の過程の研究、(3)^<18>Oをトレーサとして加えたCAIの合成、(4)ゲーレナイト-オケルマナイト組成が50対50のメリライト固溶体について、固相線-液相線間の温度に加熱したときの部分溶融実験と、その速度論的解析を行った。
SrとBaをトレーサとしてもちいると、晶出した結晶中のCa、Sr、Baの含有量の鉱物中の分布から、その鉱物部分が晶出したときの溶融相中のCa、Sr、Baの含有量を求めることが出来る。Sr/Ca比対Ba/Ca比を図にプロットすることにより、人工CAIが結晶化した過程を追跡できることがわかった。現在、天然のCAIに応用することにより、Ca、Sr、Baの分布からその形成過程の研究を行うことを計画中である。
(3)については、Al_2^<18>O_3を加えることにより、窒素気流中で^<18>Oが330‰程度濃縮した人工CAIの合成に成功した。(4)の実験では、部分溶融の状態から、ゲーレナイト組成に富むメリライトの固相が晶出し、その大きさが時間の1/3乗に比例して成長していくことがわかった。成長速度が速いことから、その成長過程は、溶融相中の陽イオンの拡散速度によって律速されていると結論した。このことは、メリライトが完全に溶融しないでも部分溶融が起これば、結晶の外形を変化させずに内部の酸素同位体が速やかに置換されることを意味している。これらの実験の結果を組み合わせることによって、隕石中のCAIの形成過程を推定できると結論した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Makide, H.Nagasawa: "Crystallization path of Ca, Al-rich melt traced by Sr and Ba : An Experimental Study"Meteoritics and Planetary Sciences (abstract). 36・9. A120-A121 (2001)

  • [文献書誌] K.Makide, Y.Fukazawa, H.Yurimoto, H.Nagasawa: "Remelting/recrystallization experiment on a Ca, Al-rich system Using Sr and Ba as tracers"Meteoritics and Planetary Sciences (abstract). 37・7. A92 (2002)

  • [文献書誌] H.Nagasawa: "Kinetics of partial melting of melilite solid solution in the Temperature range between solidus and liquidus"Lunar and Planetary Science XXXIV (abstract). (CD-ROM). 1164 (2003)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi