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2001 年度 実績報告書

孤立状態における生体分子イオンの光誘起反応の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13640512
研究機関神戸大学

研究代表者

野々瀬 真司  神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (70212131)

研究分担者 富宅 喜代一  神戸大学, 理学部, 教授 (00111766)
キーワードエレクトロスプレーイオン化法 / 光誘起反応 / 四重極質量分析計 / 八極子イオンガイド / クラスター / シトクロムc / ポルフィリン
研究概要

1.液相中にある分子の真空中で孤立状態における構造、溶媒和の反応に関わる役割などについて研究するために、エレクトロスプレーイオン化法を用いた質量分析・光解離分光装置を用いて、以下のような系について光誘起反応に関する研究を行った。
2.ヘム蛋白質であるシトクロムcの多電荷イオン(+9〜+17)の光誘起反応について検討した。特定の電荷数のイオンを選別しYAGレーザーの2・3倍波(532・355nm)によってヘムを多光子励起すると、多電荷イオンからの電子脱離(イオン化)が観測された。電荷数の増加に伴って電子脱離の分岐比が単調に減少し、電荷数が+16以上では電子脱離が起こらなくなることが分かった。単純なモデルに基づいてアミノ鎖の電荷によるクーロンポテンシャルを計算し、ヘムからの電子脱離のしきい値を求めた。その結果、蛋白質イオンは液相中に較べてかなり拡がった構造をしていることが分かった。
3.鉄ポルフィリン錯体イオン(ヘミン)にジメチルスルホキシド(DMSO)が溶媒和したクラスターイオンの光誘起反応について検討した。可視・紫外レーザー(355〜665nm)によって、ヘミンをπ-π励起すると、溶媒であるDMSOの蒸発する過程と、ヘミンから-CH_2COOH基のβ脱離する過程とが競争的に起こることを見いだした。溶媒数の増加に伴ってβ脱離が抑制され、励起エネルギの増加に伴ってβ脱離が促進されることが分かった。また、クラスターイオンからの自発的な溶媒分子の脱離の割合を見積もり、溶媒分子の結合エネルギとクラスターイオンの内部温度を求めた。
4.エレクトロスプレーイオン源を改良した。すなわち、イオンを大気中から真空へ導入する部分の差動排気の段数を増やし、イオンを真空導入する細管を加熱した。その結果、イオン強度を一桁以上も増加させることができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shinji Nonose: "Electronic Spectra and Structures of Solvated NH_4 Radicals, NH_4(NH_3)_n(n=1-8)"The Journal of Physical Chemistry A. (in press).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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